先生と呼ばないで【完】
「部屋にいると思いますので、どうぞ上がってください」
そう言われ、家の中に入ると玄関が物凄く広くて驚いた。
玄関だけでもうちのアパートの部屋まるごと入るんじゃないかな…
「お、お邪魔しますっ…」
二階に案内されたが、お手伝いさんが急に慌てた様子を見せた。
部屋はドアが開いていて、中に八神君の姿がなかった。
「あらっ…どこに行ったんでしょうっ…すみません、ちょっと見てきますね」
お手伝いさんは慌てて下に降りて行く。
私はその間に八神君の部屋の中を覗いた。
15畳くらいあるひろーいフローリングにはベッドと、本棚が置かれていて、奥には画材が散らばっていた。
壁には色んな絵が飾られてあった。
あ……
私はある物を見つけて、中に入った。