先生と呼ばないで【完】



「部屋にいると思いますので、どうぞ上がってください」



そう言われ、家の中に入ると玄関が物凄く広くて驚いた。



玄関だけでもうちのアパートの部屋まるごと入るんじゃないかな…



「お、お邪魔しますっ…」



二階に案内されたが、お手伝いさんが急に慌てた様子を見せた。


部屋はドアが開いていて、中に八神君の姿がなかった。




「あらっ…どこに行ったんでしょうっ…すみません、ちょっと見てきますね」




お手伝いさんは慌てて下に降りて行く。



私はその間に八神君の部屋の中を覗いた。



15畳くらいあるひろーいフローリングにはベッドと、本棚が置かれていて、奥には画材が散らばっていた。




壁には色んな絵が飾られてあった。




あ……



私はある物を見つけて、中に入った。



< 40 / 176 >

この作品をシェア

pagetop