先生と呼ばないで【完】
八神君はブッと吹き出した。
「はぁ?そんなにオレってナイーブに見える?あんたに何言われたからって別に気にしたりしねーよ」
「……そうなの…?」
「ん。…ただちょっと、一人で色々考えたかっただけ」
「最近夜遊びしてるってさっき聞いたんだけど…またクラブとか行ってるの?」
「…違う」
「え…?じゃあ、何してるの?」
八神君がちらっとこちらを見た。
窓から差し込む日差しが、八神君の瞳に溶け込んで綺麗なブルーになっていた。
そういえば、ハーフだって聞いたけど…この瞳、カラコンなんかじゃなかったんだ…
「センセーも知ってるでしょ?イルカの絵の店」
「……あのBAR!?」
「そう。最近しばらくあの店に通って絵を見てた」
「そうだったんだ…でも、みんな心配してるわよ、お手伝いさんも…きっとお父さんだって」
「それはない」
突然八神君の顔色が変わる。