先生と呼ばないで【完】
お父さんの事…そんなに嫌ってるの?
「どうして?こんなに素敵な才能持ってるんだから、お父さんにちゃんと話せば絵の事だってわかってくれると思うけど…」
「親父に絵の事なんてわかるわけねぇし。オレの心配だってしたことねーよ。別にされたくもないけど」
「そんなっ……」
すると八神君は私の顔を見て、フッと笑った。
「センセーってさ、ホントお節介だよね?ここまでシツコイ奴も初めてだし」
「私は…八神君に夢を諦めないでほしいだけだよ…」
「そっか……」
そう言って微笑む顔が綺麗で、思わずドキっとしてしまった。
や、やだ……私ってばなにときめいてるの!?
「こ、この部屋の絵も全部八神君が!?」
空気を変えようと、私は部屋に飾っている絵を見て回った。
どれも素敵な絵ばかりで、惚れ惚れしてしまう。