先生と呼ばないで【完】
「あっそ」
すると次の瞬間、私の頬にキスを落とした。
一瞬の出来事だったので、私は驚いて目を見開いた。
「アハハッそうそう、その顔が見たかった」
目の前では八神君が口を押えて笑っている。
ああー。またヤラレタ。
八神君の行動はいつも想像の斜め上を行くから困る。
―――でも
八神君はまた絵を描き始めくれた。
それがすごく嬉しくて、なんだか怒る気力も失った。
とても楽しそうに笑っているから……
彼の笑顔を見て、私も一緒に笑った。