先生と呼ばないで【完】
波乱の予感
「何かいいことあった?」
顔をあげると、京平が私の事を見つめていた。
「えっ!?」
ここは職員室。
周りにも先生方はいたが、京平は私にしか聞こえない声で言った。
「なんかニコニコして、朝からずっと機嫌いいなって思ってさ」
うそっ…私そんなに笑ってた!?
咄嗟に顔を抑えると、私を見つめていた京平がフッと笑った。
「何?俺には言えない事?」
「ううんっ、あのね、八神君が今日から学校に来てくれてて…授業もちゃんと受けてくれたの」
一時間目の私の授業、眠そうにしながらも席に座ってくれていた。
それだけですごく嬉しくなって、私もいつもよりやる気が出た。