先生と呼ばないで【完】
…言葉が出ないほど驚いた。
そこに描かれているのがあまりにも美しすぎて。
私ってこんなに綺麗…?八神君にはこんな風に見えてるの?
ドキドキが止まらなかった。
「生身の人間描くの初めてでさー、ちょっと夢中になりすぎちゃった」
ぐーんと背伸びして、肩を回している。
「す、すごすぎる…私って…こんなに美人じゃない…」
「はぁ?何言ってんの?小春ちゃんは美人だから」
そんな事を、いとも簡単にサラリと言いのける。
私は何も言えなくなってしまって。
でも八神君は何てことない顔をしている。
こういう事、誰にでも言ってるんだよね…
そう思うと、なんだかちょっと胸が痛んだ気がした。
……なんでだろう。