先生と呼ばないで【完】
もしかして・・・・・・
疑いたくなかったけど、私の足は職員室へ向かっていた。
そこには2.3人の先生と、京平がいた。
京平は私の存在に気づいたのに、すぐに目を逸らしてパソコンを見つめた。
「・・・松原先生、お話があります・・・」
私の言葉に、ゆっくりこちらを向く京平。
「・・・話?家に帰ってからじゃだめなのか?」
「ええ。・・・今日、美術室に行きませんでしたか?」
「・・・は?なんで」
「八神君が描いた絵・・・破かれてて」
その時、京平が一瞬喉の奥で笑ったのを、私は見逃さなかった。
「誰かにイタズラされたんじゃないのか?・・・というか、絵なんて家で描いてればいいだろう、わざわざ放課後に残って描かなくても」