先生と呼ばないで【完】
「オレが卒業するまで・・・あと一年もないし。待っててよ、ちゃんと卒業してみせるから」
彼の力強い声に私は静かに頷いた。
いけないことだってわかってる。
でも、もう自分の気持ちに嘘はつけなかった。
バーで、あのイルカの絵を見たときから…
私は八神君に惹かれていたんだ。
あの絵の神秘的な世界は八神君そのものだった。
そんな彼に、私はどんどん興味を持ってしまい、ついに禁断の扉を開いてしまった。
京平にはちゃんと話そう。
私の事、軽蔑するかもしれない…でも、この気持ちに気づいてしまった以上、隠すことはできなかった。