先生と呼ばないで【完】


体が凍り付いた。


もしかして・・・



恐る恐る教頭先生の所へ行くと、彼はしかめっ面のまま、私を校長室へと連れて行った。


手足が震えてくる。


目の前には真顔の校長先生と、しかめっ面の教頭先生。



「あの・・・何かあったんでしょうか・・・」



「心当たりはないのか?」



少し強い口調で教頭が言った。



「い、いえ・・・」



「斉藤先生。実は今朝ある生徒が変な事を報告してきましてね」


教頭とは反対に、校長先生が優しい口調で言った。



「変な事・・・ですか」



「八神君と先生が抱き合ってたとかなんとか」



心臓が口から飛び出るかと思った。


やっぱり昨日の見られてたんだ!!


私はバレないようにできるだけ表情を変えないようにした。


< 89 / 176 >

この作品をシェア

pagetop