先生と呼ばないで【完】
「重症だな、お前。昨日俺が言った事忘れたのか?」
婚姻届・・・今も鞄の中に入ったままだ。
「俺と結婚する気があるなら、この話は俺の中で抹消してやる。学校にもうまくフォローしといてやるよ、俺とお前が結婚するとなればお前らの噂も消えるだろうしな」
そうすればすべてうまくいくのかな…
八神君が責められることもないし、変な噂もされない。
・・・でも・・・そしたらこのキモチは・・・
「なんだよ、不服そうな顔して」
「・・・ちゃんと書くから」
「本当だろうな?」
「うん・・・」
うん。このキモチは封印しよう。
私の一時的な感情かもしれない。
八神君だって・・・一時的に盛り上がってるだけ。
きっと私の事なんてすぐに忘れてくれる。