人間狩り【編集中】
「あんな残酷なゲームで死ぬ前に、あたしは先に羽村君のところへ行く…。絶対に、ゲームなんかで死んでたまるか!」
「そんなっ。……じゃあ、美琴はなんで?」
「あたしも一緒に死のうかなーって」
いつも通り呑気に笑って美琴は言った。その笑顔の先に、“死”を見据えているとは思えない、無邪気な表情だった。
「亜梨沙の事好きだし、惜しいものはないから。死ぬのは時間の問題でしょ?だったら、友だちと一緒に先に楽になりたい。
あたしだって生き残れる自信ないし、例え生き残ったとしても…ただ苦しいだけだよ」
「…美琴、そろそろ行こっか」
「うん」
「千春も、結局死ぬなら、苦しまない方がいいよ」
亜梨沙が美琴の手を引く。覚悟を決めたふたり。
千春との間には、一線の超えられない隙間がある。千春は、覚悟ができない。
「…ってことで、バイバイ」
美琴が振り返って手を振った。ほんの少しだけ、美琴の浮かべた笑顔とは裏腹に、瞳が揺らいでいた気がした。