人間狩り【編集中】





 千春はなにも発することができなくて。金縛りにあったように動けなかった、あのふたりを止められなかった。


 ふたりの背中がひどく遠くに感じられる。逝くのは向こうなのに、ひどい疎外感があった。



 彼女たちは、校門の出る直前で、発砲音と共に

倒れた。



 視線の先で、鮮血が飛び散る。



 ふたりの体は、苦しみに足掻く。死にかけの虫のように。その時の断末魔の叫びさえ、物凄い遠くでの出来事に思えた。


 やがて、その動きは止まり、彼女たちの遺体はピクピクと痙攣し始めた。









 その刹那、低い声が千春を現実に引き戻した。


 ────放送だった。





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