人間狩り【編集中】








 陽菜は、光太に運ばれ、体育館内の壁にもたれかかっていた。



 ────パンッ!パンッ!




 聞き覚えのある、あの恐ろしい音で、陽菜の朦朧としていた意識がはっきりとする。



 (これって…)



『高峰…美…と………り…を…で…』



 すると、音量の小さい放送が、体育館外から聞こえた。よく聞こえないため、みな困惑する。今度は何だ、と。


 自分らに対する指示ではないようだったが。






───「イヤアァァァ!!」



「ち、ぃ…?」




 甲高い悲鳴。



 (ちぃの声だ)



 体育館の外からする。



 陽菜は確かめに行こうとしたけれど、体に力が入らなくて立てなく、諦めざるを得ない。



「陽菜は安静にしてろ!俺が行ってくる!」



 光太は陽菜にそう告げ、駆けて体育館の外へと行ってしまった。


 クラスメイトたちも、外の、発砲音と悲鳴に注目し、混乱してして、陽菜には目もくれない。




 羽村の時も、唯の取り巻きの時も、銃で撃たれた。みな、その時のことを忘れられるはずがない。




 でも、銃声だったら…誰が撃たれた…?と波紋を呼ぶ。



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