人間狩り【編集中】




「高峰と長崎が、撃たれて死んでた」



 光太は、敢えて包み隠さずに、見たままを言う。



 (美琴ちゃんと亜梨沙ちゃんが…。)



「なんで…」



「多分、あの感じだと逃げたんだろう…2人で、この体育館から…このゲームから…」



「そう…」



「…まぁ、詳しいことは見てた藤沢しか知らねぇだろ、俺が来たら、すぐに気絶したけど」



 光太は陽菜の頭をポンと撫でる。



「ちょっ」



 突然のことに驚いて、陽菜は光太の手を跳ね除けてしまった。


 (触れないで欲しい)


 陽菜に、派生した気持ちの正体を、光太は知る由もないはずだ。



「陽菜…」



 光太の顔は真剣で、陽菜は、脂汗を浮かべた。



「なに」



 平然なフリ。内心は、焦りに焦って、本当はその場から逃げ出したいくらいだった。



「いや、そのなんでもない」



 光太は千春のところへ行った。陽菜には、その行動は、ただの逃げに感じられたけど、陽菜は、正直助かった。



 そして、陽菜も千春の座っている平均台へとフラフラした足取りで向かう。



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