人間狩り【編集中】
空気がピリッと、凍った。
健太が今の言葉を口にした瞬間、百合香は肩を震わせた。
当然、クラスの中で健太に対して甚だしいと苛立つ者もいたが、実際、そうであろうと思っているのが大半だった。
しかし、舞台の上に立っている百合香を侮辱したようなことには変わりない。だからとはいえ、百合香が二人を殺せばいいというわけでもない。
陽菜は、どこか冷めた目で、ゲームの行く末を見ていた。
「っ…」
隆太郎と繭は不安そうに舞台へ上がっていく。
きっと、百合香が犠牲になる。なってくれる。不安の裏には、そんな野心が隠されていた。
「小日向さん…わたし達のこと、殺すの?」
俯いて、何も言わない百合香に、繭が尋ねた。舞台に既に置かれている銃と槍を横目で見ながら。
「………」
百合香はそれを無視した。俯いてるから、みなには表情が見えない。
「私、は」
震える声で、
「あんたたちなんかどうでもいい」
と、言いながら、百合香は顔を上げた。
次は、堂々とした口調で言い切る。
「死のうが、生きてようが関係ないもの」
その発言は、クラスメイトたちが思う、百合香のものとは、到底思えなかった。