人間狩り【編集中】
そんなの、駄目だ!絶対に駄目だ!
千春は、震えが止まらない腕で、扉を開く。
かなえが咎めるような視線を送っていたが、そんなのはもう、気にも留まらなかった。頭の中は、光太のことだけだった。
体育館の中は、誰もいなかった。ひんやりと冷たい空気がたちこめる。
光太の姿が、ない。もう、舞台裏から放送室に入ってしまったのだろうか。
「光太くんっ!!!!」
千春は必死に舞台へと駆けた。
「光太くん!光太くん!」
舞台によじ登り、舞台裏へ叫ぶ。喉が潰れても構わない、光太を止めたかった。
────返事は、なかった。
心臓が、凍り付いた。
(ああ…もう、間に合わないの?)
千春は、頭が真っ白になり、自らを顧みず、舞台裏へ行こうとした。
しかし────それは、憚られた。
刹那、渇いた発砲音が、舞台裏の方…放送室から聞こえた。そして。
『オグラコウタ』
機械音が、告げる。
『が、放送室に侵入しました。その罰として』
男の低い声が、告げる。
『射殺しました』
─────射殺しました。
しゃさつしました。
シャサツシマシタ!