人間狩り【編集中】
「う……そだよ」
(オグラコウタ…光太くんは、殺されてなんかない!さっきまで、私の目の前にいて、それで…)
「何で、何で」
あの刹那の発砲音。あれは、光太が殺されたから鳴ったのだろうか。
考えがえなくても、当然のように分かるはずだ。けれど、それを受け入れることなどできない。
彼女は脱力し、膝から崩れ落ちた。まばたきが、呼吸が、震えが止まり、絶望感に押し潰される。
────『陽菜を待ってやってくれ』
光太の言葉が過った。
(陽菜を…支えなきゃ)
千春には、勇気がない。光太が殺されたのか死ぬ気で確かめに行くなどできない。どうせ死ぬけれど、それでもまだ怖かった。
だから、千春には、光太の想い人である陽菜を支えなくてはならないという使命感に駆られた。陽菜は、この放送が聞こえたのだろうか。
舞台から体育館を見渡すと、騒然とするクラスメイトたちが見えた。あの放送を聞いたのだろう。
そこには、百合香やかなえの姿もあったが、陽菜はいない。まだ、トイレにいるということだろうか。
しかし、時間がもう迫っている。陽菜も殺されてしまうなんて、耐えられない。