人間狩り【編集中】
再び、体育館に入るとクラスメイトたちは席順に整列していた。
みなから、覇気が感じられない。ショッキングな出来事が頻発したのだから、当然だろう。精神的疲労はピークを迎えている。
陽菜は、無言を貫いていた。千春は、何か言おう、と思ったが、涙が出そうで結局できなかった。
「ちぃ」
「な、なに」
「扉、ゲームのとき、どうなってるか知ってる」
突拍子もない問いに、千春は眉を顰めた。
「そんなの知らない…。それよりも、早く、整列しなきゃ。時間が」
「ゲームのときは、扉開いてるんだよ。出てみる?」
(何で、陽菜はそんなことを?何故知ってるの)
「そんなことしたら、殺されちゃうよ!!」
千春は、大声を出してしまい、クラスメイトたちの非難めいた視線を浴びた。
“殺される”。今の状況下で、その言葉は、禁句だった。
「そっか」
陽菜は、千春に背を向け、クラスメイトたちに混ざった。
あの冷淡な口調。千春は、もう、崩れ落ちて慟哭したかった。