人間狩り【編集中】
一気にその場は混乱を起こし、ヒステリックな声で喚き散らす者もいた。
百合香は、2ゲーム目で、繭と隆太郎を殺害した際に使った銃をくすねていたのだ。こうして、クラスメイトたちを脅(おびや)かすために。
百合香の思惑通り、蜘蛛の子を散らすように、彼らは離れて行った。百合香にとってその様子は、馬鹿みたいで、おかしくって、笑いが込み上げてくる。
「あっはっは…!」
抱腹絶倒しそうなくらい、滑稽だ。目の端に涙さえ浮かぶ。
試しに、誰か撃ち殺してやろう。百合香は、ぺろりと唇を舐め、湿らせる。
その銃口は、萎縮しているかなえに向いた。
近くにいた陽菜は、咄嗟に腕を動かそうとした────が、それは、放送によって遮られた。
『ゲームを再開します。整列してください』
何事もなかったかのような、放送。
百合香は大人しく銃を懐に収め、おおよそ自分の席であろう位置に立つ。
百合香に近付きたくない。しかし、ゲームを開始させなければ、並ばなければ殺されるかもしれないと、クラスメイトたちは、百合香と一定の距離を取り、席順に並んだのであった。