人間狩り【編集中】
粛然とする空気の中、一番最初に登壇したのは、百合香だった。
かなえは、思わず身を竦めた。
百合香は、銃を懐に秘匿している。そして、それは恐らくルールに反していないはずだ。違反ならば、盗んだ時点でどこかから撃たれて、百合香はあの世行きだ。
百合香を殺す前に殺される。それは、十分に考えられることだった。だから、恐怖の対象でしかない。
一方、百合香は、舞台に転がる新たな銃と、槍をうっとりと眺めた。禍々しい凶器に、悦びを感じている。黒光りする銃を、抱き締め、そして舐めたいくらいだった。
残忍なことをした百合香を、生き残る側の輪に入れることはできなかったし、彼女自身もそんなことはもはや望んでいなかった。
そう、もっと__もっと素晴らしいことを期待していた。
次に壇上へ上ったのは、菅野晴人だった。茶髪に染めた髪を照明に輝かせ、ムスッと苛立ちを隠さない表情で歩き出す。晴人は、この学校のいわゆる問題児で、教師から指導を受けている。
次に後ろ髪を引かれるような目線を配っていた相澤皐月が。そして彼に着いていくように、残りの女子が舞台へ立った。