人間狩り【編集中】
もう、ゲームは始まっている。
しかし、壇上にいる5人の男女は、動きを見せない。死刑を宣告されたも同然だから、ただ待つしかないのだ。
「宮河」
健太は身を屈め、右手で銃を、そして左手では槍を拾い上げた。
槍。今まで、一度も使われたことのなかった武器だが、指名されたのは2人だから、妥当な判断だろう。
だが、槍で人を殺害するというのは、にわかに信じがたいことで、体育館中に戦慄が走った。
「俺は、3人先に殺るから、残りを殺せよ」
「え…っ」
健太は、周りに聞こえないよう、かなえの耳元で指示する。当然、内容は察することができるが、恐ろしくて何も口出しなどできない。壇上の5人は、殺されるのを待つだけ。
優香は、健太とかなえに視線を向けながら、チラチラとその位置から伺える放送室の様子を確認していた。
「俺ひとりが全員殺しても、多分…ルール上だとお前、死ぬよ」
「嘘、でも」
健太の言うことは正しかった。
名前を呼ばれた人は、余った人を殺さなければならない。そう、かなえが望むような、どちらか1人が殺せばいいことにはならない。