人間狩り【編集中】





「よく考えろ、ルールを思い出せよ。余った人を全員殺さなきゃいけないってあっただろ。指名されたのが2人なら、2人で手分けする…。普通に考えたらそうだろ」


「私、そんなことできないっ」


「じゃあ、お前…死ぬんだな」



 健太は、冷酷な発言とは裏腹に、右手の拳銃を差し出していた。


 そこには、かなえが殺さなければ自分も巻き添えを食らう可能性があるという思惑があったのだが、かなえには同じ立場の好として生かそうと言ってくれているように見える。



 (死ぬ────!)



 脳裏に浮かぶ、死の光景。


 羽村は、かなえを庇って死んだ。鮮血を散らし、こんな冴えない女のために死を選んだ。


 かなえは、自分に人を殺してまで生き延びる権利はないと思う。


 差し出された黒光りする銃。


 かなえは、まともな使い方を知らない。だが、それを使えば、使ってしまえば少しの間は、生き延びられる。



「早くしろよ」


「うっ…」



 健太の鋭い眼光に、促される。




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