人間狩り【編集中】
かなえが堕ちるまでの顛末を見ていた千春は、心底震えた。
かなえは、やるだろう。瞳の色にはまだ、怯えが残っているが────やがて、百合香のように殺戮を繰り広げてしまうだろう。
再びあの舞台で、先程よりも多くの血と肉と命が舞うと思うと、胃の中のものが喉に込み上げてくる。千春は目を覆った。
銃を離した健太は、まず、対象となる5人を見やった。中でも、百合香の表情を恐る恐る伺う。
俯いている百合香。何を考えているのか全く分からないが、笑っているようにも見えた。
できることならば、一番最初に狙っておきたかった。だが、立ち位置的にそれは憚られる。百合香は、他の4人の背後に立っていた。
健太はずるい、とムッとした。
(そろそろ殺らなきゃ、俺らが殺される)
健太の目に炎が迸ったのを感じ取り、手前にいた皐月がひっ、と声を上げる。スラックスに包まれた足をガクガクと震わせた。
「っ…」
「う、あぁぁぁぁ!!?」
健太が、槍を振り下ろす。皐月の体が崩れていく。
「ゔ…あぁぁぁ!!!あがが…!」
痛い痛い痛い痛い!!皐月の体を、槍とそして激痛が貫いた。喉を潰したような叫びは、体育館中へ響き渡り、みな耳を覆った。