人間狩り【編集中】
それは、あまりにも醜く惨い光景だった。槍は、胸元から腰上辺りまで彼を貫いている。思ったよりも出の大人しい血は、槍を伝い舞台へ落ちる。また、健太の袖を濡らす。
しかし、彼は死んでいない。白目になり、胸元が抉れて痙攣し始めているが、過呼吸を繰り返し、生きている。
「うっ…」
刺した健太は、もよおす吐き気を堪えて、新たな行動に出る。粘っこい音を立て、皐月の体から槍を抜いたのだ!
途端に、抉れた傷口から血が吹き出し、健太自身と近くにいたかなえや、松川しおりの体に付着し、滴った。
かなえは、吐き気が寸前まで押し寄せ、口の中で戻してしまった。慌てて屈み、口を抑え、気持ち悪いが飲み込む。
(人の、肉が出てきてる…!嫌!)
生温くネバッとした感触。生ごみのような、──否もっと強烈な──血の臭い。涙が自然と溢れ出る。鼻がひん曲がりそうだった。