人間狩り【編集中】




 しおりに、皐月の赤黒い血が滴る槍が、振り下ろされた。



「い、イヤァァァ!」


「あぁっ!くそ…っ」



 しかし、しおりが本能的に槍を避けたため、ブレザーとスカートを薙ぎ、若干太ももを切り裂くだけに留まった。



「ひぃ!痛いよぉっ、やだ!やめて!!葉山!」



 舞台を正面とするとその奥側の方に、逃げる。


 ピシャリ、と太ももの切り傷から血が流れていた。



「んなこと言ったって仕方ねえだろ…!」



 (俺だってこんなことしたくない!)



 健太はしおりを無我夢中になり、追い掛けた。

 自分が少しでも生きながらえたいがために、殺すために追い掛ける────!



「いいいや!やだあ!!殺さないでぇ!!」



 健太は、すぐにしおりの腕を掴んだ。舞台で、非常に惨いシーンが繰り広げられる。



 おぞましく醜い光景に、みなが息を呑んだ。



 再び槍を振り上げ、しおり目掛けて下ろした。





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