時空を越えた先に君がいた。



私は思わず1歩後ずさりした


…ダメ。逃げたら負けだ。


心で何度もそういいながら
私は前へ踏みでた



「ふーん、覚悟はできてるのね」



ニヤニヤ笑う女子たち


数人の女子が私の体を押さえつけた


…う、動かない



私はぐっと力を込めた



…だめだ。動かない。


結局、何もできないじゃん


私ってダッサ。


そう思いながら目を閉じた時だった



「やめて。」



唸るような声が聞こえた



「舞花ちゃんには手を出さないで」



目を開けると
さっきまで泣き崩れていた幸が
すごい顔で女子たちを睨んでいた



「ちょうど良かった!あんたの親友、舞花ちゃんの断髪式みときなよ!笑」



1人の女子がそう言うと
周りにいた女子達が
大きな声で笑い出した


けれど、そんな事も気にせず幸は


「舞花ちゃんに手を出したら許さない。」


そう言ってどんどんこっちに
近ずいてきた

こんな幸は初めて見る


ふわふわのカールは
切られてなくなって
セーラー服は乱れていて

整った顔はまるで鬼のようだった





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