時空を越えた先に君がいた。

鬼の姿。




「でてこい!」


またネオは叫んだ。


…ネオは誰に向かって
言っているのだろう。


そう思った時だった



「なーんだ。狼ちゃんかよ」


聞きなれない男の子の声がした



私はぱっと大きな木を見上げる



「やはり、瑰だったか」


見上げた木の上には
カイという男の子が怪しく笑いながら
私たちを見下ろしていた


…だれ?


私は木を見上げ男の子を見つめた



男の子とばっちり目があった


私はそらすことなく男の子を見つめた



「ふーん。異世界のヤツか」


男の子はまた怪しく笑うと

5mはあろう高い木から
すたっと飛び降りた


普通の人間だったら簡単にできない。


…この人は人間じゃない。


私はそう悟った。



「カイには会わせたくなかった」


ネオはカイにそう言った



「そんなこと言うなよ、今日は何もしねーから」


カイは手を上げて笑っていた



「何もしないと言っても能力をもってないからだろ?」


「そうだよ。まぁ、そのうちってやつ?」


カイはそう言いながらニヤッと
八重歯を見せた


私の心臓がバクバクと大きく動く


カイは私を殺そうとしているわけ?


つまり目の前にいるのが

ネオとヨルが言っていた



…鬼?



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