時空を越えた先に君がいた。



「カイは鬼なんでしょ?」


「そうだな」



「いつかは私を殺すの?」



自分でもバカな質問だと思った


けれどどうしても
カイが人を殺す鬼と思えなかった



「あぁ、舞花がこの世界にいる限り俺は舞花とは敵だ。

だから





…殺さないとな」



カイの鋭く輝いた目は
どこか冷たくて深い深い闇のようだった




殺さないとな



カイの言葉が私の鼓動を早める



…カイはやっぱり鬼だ


鬼のカイが

鬼の討伐の使命を任された私を

敵と思わないわけがない。



私は切なくなる思いをぐっとこらえた



…もう一度人を信じようと決めた私。

鬼の討伐という使命を任された私。

私はこの世界にきて
少しだけ感情を取り戻した気がした。



カイを見ていると

助けたい

分かち合いたい


この気持ちが芽生えたのだった。



こんな気持ちになれたのも
この世界に来たおかげなのかな…



この世界に来たのは偶然でしょうか…?

それとも必然でしょうか…?


なぜ神様は私をこの世界へと
導いたのでしょうか…?


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