時空を越えた先に君がいた。



どれだけ走っても母と父の姿は
見つからなかった。



そろそろ疲れが出てきた時だった。



ぽつぽつと雨が降ってきた。




冷たい雨粒が僕に降り注ぐ。




じわじわと着物が濡れて
重くなってきた。



…もしかすると
すれ違ったのかもしれない。


雨も降ってきたし…


僕はそう考えると家に戻ることにした





「あー…あれよ…」




帰る途中に人だかりができていた。




「わ…これは酷いわ…」




「夫婦そろって鬼に殺されるなんて…」




人だかりから聞こえる会話に
思わず反応した。




僕はとっさに人だかりをかき分け
みんなが見ているものの
ところへと近よった。




< 63 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop