時空を越えた先に君がいた。
私は一通りネオの話を聞いた。
ネオの両親は鬼に殺されたこと
ネオは鬼がとても憎いこと
ネオはそんな鬼の存在をなくしたいこと
ネオの話からは十分それが伝わった。
「村のみんなからヨルの噂は聞いている…ヨルは1人ひとつしか使えない能力を3つも使えるのだろ?その力を使って鬼を倒してるのだろ?」
ネオの目はあまりにも真剣で
私の心を撃った。
「…ネオの気持ちは分かりました。私は弟子を雇うつもりはないので、私の弟として歓迎しましょう」
私はネオに微笑んだ
「…歓迎してくれるのか?」
「えぇ」
ネオの表情が一気に明るくなった。
そもそも私は弟子なんかいらない。
弟子を雇うつもりは
まったくない。
だから、本当はネオのことを
断ることも考えていた。
けれど、ネオの身にあったこと
ネオの真剣さ
それを知ったからには
ほっとけなかった。
…弟としてなら
私もまんざらではない。
むしろ家族のいない私には
大歓迎だ。