時空を越えた先に君がいた。




「いって」



一緒に探し始めてまだ
そこまで時間が経っていない時



カイの指先から血がでていた



「あ、血出てるよ!!」


「…たいしたことねーよ」



カイはぶっきらぼうにそう言うと
また石を探し始めた




「だめ!バイキンはいるじゃん!」




私は思わずカイの手を握った




…そーいえば
昨日制服のポケットに
いれたままだった絆創膏持ってたはず…




私は絆創膏をとりだすと
カイの指にはった




「なんだこれ?」




カイは不思議そうに絆創膏を眺めた




「これで物が血で汚れないでしょ?バイキンもはいらないし!」



「バイキンってなんだよ…ったく、舐めときゃ治るのによ」



カイは呆れたようにそう言うと
ふっと優しく笑った




「…でもまぁ、変な模様だけど悪くないな」



…バイキンも絆創膏も
この絆創膏のハート柄も
カイは知らないんだね




「どういたしまして」



…優しく笑ったカイに少し
ときめいた自分がいたことに
気づいたのはそんなに遅くなかった





…だめって分かってる



カイに借りを返したら




もぉ、関わっちゃダメだ。




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