【短編】ing
みんなが先生を見て笑っている中、杉谷君だけがコソコソと何かをしていた。

私はそれが気になって、先生の話しなんか聞いてなかった。

コソコソし始めてしばらくしたら、杉谷君はちらりっとこっちを見ると、後ろ手にノートの切れ端を渡してきた。


2つに折られた紙。
表には、『松永さん 親展』と書かれていた。


意外とキレイな字……なんて思ったけど、それよりも『親展』が気になった。


………親展って、私以外は絶対見ちゃだめってコト?

他の人にも見せちゃ……いけない………のかな。見せる気はないけど。


手紙には、
『放課後にお菓子食べような。
俺のじゃないけど(笑)』



私はその下に、『うん』と返事を書いて、彼の首を紙でつついた。


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