【短編】ing
廊下の窓を開けると、教室の窓との間に風の通り道ができて、涼しかった。

廊下の窓から外を見たら、風が私の髪を後ろに流した。


「松永さん、」

杉谷君が教室から出てきた。
ワイシャツを脱いでTシャツになっていた。

「お昼食べない?」


窓に寄りかかる私の隣りに、同じようにして寄りかかった。


私は頷いて、杉谷君の隣りから離れた。


「…………――待って」

私は杉谷君と、自分の手首を交互に見た。




杉谷君が私の手首を掴んでる。


脈が



更に速くなった。

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