【短編】ing
「か、ら、ぶ、り………?」

私は意味がわからなくて聞き返した。


杉谷君は照れたように答えてくれた。


「だって松永さん、塚田のこと名前で呼んでるし、呼ばれてるし……だから………」


「そ、それは半強制的っていうか、流れでっていうか、その………耕士君が…」

パンクしそうな私の頭の中では、必死に言い訳を考えていた。

けど、思考が停止した。

「俺も、松永さんのこと好き」

その言葉と同時にほっぺたにキスをされたから…。

「だから塚田に嫉妬した。夏休み前だって、今朝だって、さ?」


心臓が、停まればいいと、これほど思ったことなかったかもしれない。

だけど今停まったら、損をするな…なんて思った。


杉谷君はどんどん私に嬉しいことを言い続けたし、せっかく好き合えたんだから…。
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