愛し君へ、愛をこめて
嗚呼おかしいな。
彼女は死んでいるはずなのに、まるで本当に生きているようだ。
「恋心とは、まさに最強だね。万物無敵だ」
「…あなたも恋してみるといいわ。私も、今も彼に恋してるもの…。
恋をするとね、人はみんな美しくなれるのよ」
「だろうね。君を見ていると、それがよく分かるよ」
微笑みかけるカルハに、弱々しい笑みで彼女は一言、「ありがとう」と言った。
まったくだ。
コイゴコロとは、末恐ろしい。
一種の魔法のようだとカルハは苦笑するのだった。