愛し君へ、愛をこめて
白いボブカットの髪型に、真紅の瞳。赤フレームの眼鏡をかけた少女の容姿に、鶴の顔は苦いものを食べたかのように歪んだ。
「…相ッ変わらず派手派手な格好やなあ。ちゅーか、ふざけた格好?」
鶴の言う通り、少女の服装は酷く派手なものであった。
白色のカッターシャツの首もとには赤の紐リボン。紺のパンツは膝丈である。
と、ここまでは西洋の坊っちゃんのような、一応普通の格好ではあるのだが…。
「酷いなあ。だから、別に、これは私の趣味じゃないと言っているだろう?」
「分からんで。あんさん、【嘘つき悪魔】やろうに。ホイホイ嘘つくような奴の言うことなんか、信じられへんわ。
ちゅーか嫌ならせめてその猫耳とらんかいっ!」
びしぃッ、と鶴が指差したその先には、ぴょこんと可愛らしい猫耳(白)が。
猫耳だけに収まらず、尻尾までついているのだから呆れたものだ。
しかも、少女は王様マントまで羽織っており、目立つこと極まりない。おまけに常に裸足なのだ。
家の中では脱いでいてもいいのだが、外にいても裸足。
これでは鶴も呆れるだろう。