愛し君へ、愛をこめて
さて、カルハは一体何を言ったのか。
鶴嫁怪は先程のカルハの言葉を思い出す。
頬を両手で挟まれ、いつも以上に密着した姿勢で、耳に息がかかってしまい痺れるような声で。
『I love you』
「…―――!」
思い出した途端、ぼぼぼっ!と鶴嫁怪の顔が紅くなる。
それは怒りから来るものではなく、ただ単純に『照れている』のだ。
それでも鶴嫁怪は必死に誤魔化す。
この気持ちは嘘なのだ。
自分が好きなのは姐さんだけなのだ。
誰があんな奴、…。
カルハの顔を思い出す度に、またあの言葉が甦る。
『愛している』など、なぜ急に。