愛し君へ、愛をこめて


「……。」


次に思い出すのは、あの三隅とかいう男。


彼は今も、探しているのだろうか。

どこにいるのかも分からない彼女を。
生きているのかも分からない彼女を。

ただ、ずっと。


「(…三隅はんもいつか、彼女はんに会えるとええな)」


見上げた空は赤かった。

もう夕暮れだ。

明日もまた、会えるだろうか。
明日もまた、会ってやろうか。
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