どんなに辛い時も君の側で
気持ち
<優希side>
「あら、優希!おかえりなさい」
目の前には昨日とは別人のような母親。
「ただいま」
そして綺羅と話していたさっきの笑顔ではなく
偽りの笑顔で笑う俺。
俺の母親はいつも違う。
何かに脅えていたり
明るくて優しかったり
暴力をふるったり
とてつもなく冷たかったり
どれが本当の姿か分からなくなってしまった。
だからだろうか。
いつしか俺も本当の俺がどれか分からなくなっていた。
自分が母親みたいになっているのは分かっていた。
家族だけど家族じゃない。
父親はこんな俺と母親を見捨てて出て行った。