どんなに辛い時も君の側で



《親父!親父!
 見捨てないでくれよ、頼むから!親父、親父ー!》


俺は一度も振り返らずに夜の町に消え去っていく父親の背中に
何度も何度も何度も何度も何度も叫んだ


そしてあの日。

あの時あいつに出会った。


視線を感じていた

振り返ると

綺麗な顔をしたあいつが居たんだ。


目が合っている。

電柱の下に立っていたあいつはその光をかりて生きているみたいだった。




綺麗なブラウンの髪が風に揺れていた。
その髪を耳にかけ


まるでこの世に絶望したような目で俺を真っ直ぐに見ていた。


俺はとっさにその視線から逃げ出したんだ。




分かっていたから。
きっと俺はあの目を、

きっと俺はあの髪を、

忘れられないことを。。。
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