どんなに辛い時も君の側で





「花ーおはよっ」
「ぁー、おはよー」

《誰だっけ?》

「花実おはよーー
 今日楽しみだねっ」
「おはよー
 だねだねっ」

《今日なんかあったっけ?》

「綺羅、はよ
 昨日の返事ゆっくりでいいから」
「はよはよー、りょーかいっありがとー」

《昨日の?なにそれ》


考えても思い出せない。

だって全てが偽りの世界だから


面白くもないのに笑う。
好きでもないのに仲良くする。


私もそのうちの一人。



「花」



でも、一人偽りじゃない人がいる。

「藍、おはよ。」


唆辺 藍<サナベ ラン>

私の唯一の友達。
藍の変わりはいない

「おはよ。花どうしたの?」


ほら、藍はいつだって私の変化に気付いてくれる

でも


「んーん、なんでもない」

って言って強がってしまうのはまだ藍を信じきれていないからなのかもしれない。

藍は眉毛をさげ「そっか」とつぶやいて笑った。


そしてその笑顔のまま
「でも花は私にとって必要だから」
と言った。


やっぱり、藍はすごいと思う。

藍の代わりはいない。

「ありがとう」

そう藍に言葉を届けた。

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