真っ直ぐ
真っ直ぐ
「あいつの良いところなんて顔だけだよ。ま、馬鹿だから騙しやすいけど」
一瞬耳を疑った。
だってその声は、いつも隣で俺に甘えてたあいつの声。
『由宇、好きだよ』
昨日も別れ際そう言ってただろ?
「頭いいし将来有望?みたいな(笑)」
周りの奴らも笑う。
「まだエッチもしてないし、マジあいつ真面目すぎ」
いい加減、目も醒める。
あぁ、要するに遊ばれてたってわけか。
昨日まであんなに可愛く見えたのに、今はただ憎い。
「じゃ、俺たち終わりな。じゃーな、早紀」
教室のドアを開けて、別れを告げる。
…追っても来ねぇし。
女見る目ねぇのかな。