真っ直ぐ
川崎が晃彦を好きでも、女に興味のない晃彦だから、大丈夫だとどこかで思ってた。
だからあの時、死ぬほど苦しかった。
卒業一週間前。
「川崎のアドと番号教えて」
晃彦が携帯を開いていってくる。
「それと」
晃彦が野球の時以上に真剣な表情。
嫌な予感がしたんだ。
すごく嫌な予感。
「今まで言ってなかったけど、俺、川崎が好きなんだ」
全ての希望が失われた。
完全な両思い。
高三の終わり、川崎に三度目の失恋。