真っ直ぐ



「清水!」


合格報告に登校した日、偶然にも川崎に会う。


その時思ったけど、結構チャンスはあったんだな。


「受かった?」


何も知らずに無邪気に聞いてくる。


「受かったよ」


俺が言うと、川崎は笑顔で俺に合格通知を見せる。


「あたしも。夢に一歩近付けた」


「俺も」


すると川崎は興味深々で俺を見る。


「清水の夢って?」


「中学校の教師。んで野球の顧問すんの」


俺が答えると、川崎はあの時と同じように言った。


「清水らしいね。野球真っすぐで」


「馬鹿正直ってこと?」


俺が尋ねると川崎は微笑んで頷く。


「そこが清水のいいところでしょ?」










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