ないしょ恋愛 〜アイドルとあたし〜








「----カッート!」



演技が終わる合図と共に俺は愛川さんから離れる


撮影が終わり俺はマネージャーの緑川さんの元へと向かった。


「翔真、最高よ。」


「ありがとうございます」


ぺこりとお辞儀をして差し出されたミネラルウォーターを口に含む。


「次は雑誌の取材、あとは新曲のダンスレッスンが入っているからね」


「はい、分かりました」


「松山さぁ〜ん!今日はありがとうございましたぁ!松山さんってぇ、キスお上手なんですねっ」



「え?あ…はぁ……?」



いきなりやって来た愛川さんに緑川さんは眉を顰める。


「あのぉ、松山さんの連絡先、教えて欲しいんですけどぉ、良いですかぁ?」


「え?…ぇ、っと……」



本当はこんな人に教えたくない。教えたとして、これからどうするんだ?


もう、今日で撮影は終わったのに。



でも、どうやって断れば良いのか分からずにうろたえていると



「翔真、時間が間に合わないわ。はやく行きましょう」


緑川さんが助け舟を出してくれた。


「愛川さん、すいません。じゃ!」



そう言って俺はスタジオから出て行った。












< 79 / 130 >

この作品をシェア

pagetop