最後の龍の華
冷や汗をかきながら
いやいや 彗に近づく
目の前に来たあと
「......いいこだねー?
ほら この人に自己紹介して?」
言葉でそう言っているけど
心の中では きっと...
「後で 覚えておけ!」
とか 言ってるんだろう...
目で そう言っているから
もう これで間違いないと思うの
その視線から逃げるように
めがねの方に向く
『...はじめまして...
私 千草兄さんの従妹の花音と言います...』
お辞儀をして
最後ににっこりと笑っておく
めがねは一瞬呆気にとられて
いたが
すぐに 自己紹介してきた
「...鳳凰族の奈留です
えーと...千草さんの従妹ですから...」
疑問に思っていたこと聞いてくることに
にっこりと微笑みながら
『はい...千草兄さんと一緒で
鷲族です...』
族名を名乗る
所属がわかったから
ほっと安心しているめがね
クスッ...
そんなに ばればれなことしてたら
いつか 自分で首を絞めるわよ?
*