最後の龍の華
奈留 side
黒髪ロングを揺らしながら
去っていく女の子
それを ボーと眺めながら
さっきの 自己紹介を思い出してみる
花音ね...
千草さんの従妹なら
何かないかぎり 俺たちの危害に加えないと思う
「...それで? 奈留君はなんで
ここに来たのかな?」
目の前に理事がおり
本来の目的を思い出した
理事の方に向き直り
「理事長...今張っている
魔結界 誰のものですか?」
突然の問でも 驚くことなくいる理事に ふと この人の余裕を
無くしたいと妙に思えてくる
「...その情報は なぜ必要なの?」
「...誰でも思いませんか?
魔結界が 変わったの見て...
魔力をとてつもなく消費する魔法をいったい誰が張ったんだって
思いませんか?」
ありきたりな 理由を言って
もう 癖でなんども張り付けた
笑みを向ける
*