最後の龍の華
体の方向を その人に向け歩き出す
そして 向こうも私に気づいたのか
こっちをみて 微笑んでいる
混雑している人混み
私が通るたび 道が開く
私のことで ひそひそ話しているけど
それも無視する
いちいち聞いていたら 神経がすり減るじゃない?
それに 聞いていても何も得がないしね....
そして 目的の人物の目の前までつくと
その人は 私ににっこりと笑いかけ お辞儀をする
その行動には私もびっくりする
まさか お辞儀をしてくるとは思わない....
『ちょっ!! やめてください!』
あわてて止めようとするけど....
「なんでだい? 君に対しての礼儀だよ?
これは....」
『しかし...私はまだここの場所に初めて出てきたいわゆる 後輩なのに...
それに 敬意を払わないといけないのは私の方なのに...』
そう言って 私はその人にお辞儀をする
『改めまして お久しぶりです
蘇翁ースオウーさん....』
「いやー 久しぶりだね...
龍華....
そういえば 私の愚息が世話になったね....」
にっこり笑いながら 喋る蘇翁さん
しかし 愚息...?
愚息といったら 息子でしょう?
蘇翁さんの息子といったら....
あっ!
あいつだ.....!
めがねだ!
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