最後の龍の華
[誰だよ このガキ...]
[そう不機嫌になるなよ彗...]
目の前に立っている小さい女の子を 睨み付けると
まぁまぁと 龍哉さんに宥められる。
[おとうさん...この人だぁれぇ?]
[ん?この人はね...俺の息子だよ...つまり 龍華のお兄ちゃんだよ]
子供を抱きかかえ
俺のことを説明する。
[お兄ちゃん....]
ぽつりと呟かれた言葉に
龍哉さんが 物凄く優しい微笑みを浮かべていた...
[紹介するよ彗...
俺の娘の龍華だ...
ほら 龍華 挨拶は?]
龍哉さんに言われて はっとしたのか
俺の方に向き 笑顔で...
[初めまして
龍族の龍華
です。]
さっきの子供らしい顔ではなく 龍族としての挨拶で
この変わり身の速さに
感心しながらも
やっぱり 親子だなと感じた。
[俺は....
狐族と狼族の彗だ...
よろしくな 龍華...]
気づいたら もう自己紹介をしており
自分の種族名も呟いていた...
しかも...
無意識に...
*