【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−
「ってか、寒くない?」
あっ……。
ふわりと優しく、私の肩に隼人の右手が回される。
私は頭をそっと隼人の体に寄せて体を預ける。
そして、抱き寄せられる体。
少しだけ、ほんの少しだけ。
隼人の心臓のドキドキが伝わってきて……。
とても心地よくて……。
私は静かに目を閉じた。
好きだなぁ、隼人のこと。
好きだなぁ、一緒に過ごすこの時間。
いつまでもこうしていたい。
………………。
…………。
……。
「おいっ! このバカ凪咲!」
「……ほぇ!?」